（前頁）＜＜　　　　　　＞＞（次頁）　　　　　　　　　　(Up)

６章　再び要素モデルの作成
６．１　独自プロパティ画面の作成
  （その２　プロパティ画面のスタブ作成）

 6.1.4  プロパティ画面の開発プロジェクトを作成　及び、　6.1.5 プロパティ画面スタブ作成

　要素モデル用のプロパティ画面は、要素モデル本体とは異なるDLLとして提供します。
　要素モデルプロパティ画面DLL内には下記クラスが含まれています。


 　  

　表示するプロパティ画面は、「．NET　Framework」 の　Formクラスを使用します。　このクラスは 「．NET」の画面部品（リストボックスやボタン等の部品）を貼り付け、オペレーターの画面部品操作に対応する処理を記述します。　一方、表示されている画面をCommonMPで管理するために、スクリーン（Screen）クラスを制作し、このスクリーンクラスが　先のFormクラスをラッピングするようにしています。　この画面クラスはCommonMP要素モデルの場合と同様にファクトリークラスを用いて生成します。

　要素モデル本体のDLLを作成するには、型紙のプロジェクトをコピーしそれを改造しました。
　要素モデル用プロパティ画面も同様に、型紙をコピーして作成します。

　独自プロパティ画面DLLの作成手順を纏めると以下のようになります。

（１）型紙プロジェクトをコピーし、独自プロパティ画面用プロジェクトを作成する。
（２）コピーしたプロジェクトを単体で開き　namespace 名を変更する
（３）プロジェクトのプロパティから、DLL名を変更する。
（４）ファクトリークラス名
（４）要素モデル開発用CommonMPプロジェクトに（１）〜（３）で作成したプロジェクトを追加し、依存関係を設定する。
（５）ファクトリークラスのCreateFactoryID()メソッドを変更し、要素モデルファクトリーIDと同じ値を返却する様に修正する。
（６）ファクトリークラス名、スクリーン（Screen）クラス名、フォーム（Form）クラス名を変更する。（ファイル名も変更）
（７）画面Factoryクラス内の所定メソッド内容を修正し、スクリーンクラスの生成が行えるようにする。
　　　（これでスタブの完成。　コンパイルしCommonMPを動作させスタブの動作を確認する）
（８）Microsoft Visual C#上で、画面に必要な部品等を貼り付け、画面処理を完成させる。

　以下に順を追って説明します。

（１）型紙プロジェクトをコピーして、独自プロパティ画面用プロジェクトを作成する

　要素モデル用の型紙は\CommonMP\Source\HYMCO\OptionImpl下の「MyModel」フォルダーです。　この要素モデルプロパティ画面の型紙は「MyModelProperty」です。　このフォルダーをコピーし、「MyExerciseModelProperty」を作成します。

　　　

　プロジェクトファイル「MyModelProperty.csproj」の名称を「MyExerciseModelProperty.csproj」に変更します。

　　　


（２）コピーしたプロジェクトを単体で開き　namespace 名を変更する

　Microsoft Visual C# から　MyExerciseModel.csproj　を開きます。（ソリューションからではなくて、単体プロジェクトを開きます。ディバッグソリューションには未だ追加しないで下さい。）

　　　

　ここで、ソリューション内の namespace 名を全て変更します。
　Microsoft Visual C# 「編集」−「検索と置換」−「クイック置換」　を選択します。

　　　

　namespace 名を
　　CommonMP.HYMCO.OptionImpl.MyModelLIB　から
　　CommonMP.HYMCO.OptionImpl.MyExerciseModelLIB
　に変更します。
　
　（注意）
　　プロパティ画面のnamespace名は要素モデルの namespace 名に一致させます。 　
　

　　　


（３）プロジェクトのプロパティから、DLL名を変更する　　
　
　プロジェクトのアセンブリ名（DLL名）を変更します。
　（DLL名は　MyExerciseModelDLL.dll とします）
　また、既定の名前空間は「CommonMP.HYMCO.OptionImpl.MyExerciseModelLIB」に変更します。

　　　


（４）要素モデル開発用CommonMPプロジェクトに（１）〜（３）で作成したプロジェクトを追加し、依存関係を設定する

　Microsoft Visual C# から　要素モデル開発用CommonMPプロジェクトを開きます。　ソリューションに　（１）〜（３）で作成したプロジェクトを追加します。　　

　　　

　　　

　要素モデル開発用CommonMPのメインプログラム（TestModelDeveloperMainExp）の依存関係に、追加した MyExerciseModelProperty.csproj を追加します。

　　　

　　　


　プロパティ画面は、要素モデルに依存します。
　型紙をコピーした状態では、要素モデルの型紙プロジェクト「MyModel」に依存する設定になっています。　　
　そこで、新しく作成した要素モデルプロパティ画面プロジェクトの依存を　対応する要素モデルプロジェクト「MyExerciseModel」に変更します。

　　　

（５）ファクトリークラスのCreateFactoryID()メソッドを変更し、要素モデルファクトリーIDと同じ値を返却する様に修正する

　プロパティスクリーンファクトリクラスのCreateFactoryID（） メソッドの戻り値が　要素モデルファクトリーIDと同じ値を返すように修正します。

　　　


（６）ファクトリー（Factory)クラス名、スクリーン（Screen）クラス名、フォーム（Form）クラス名を変更する（ファイル名も変更）

　Microsoft Visual C# のソリューションエクスプローラー上で、スクリーンクラスとフォームクラスのソースファイル名称を変更します。
　
　　　ファクトリークラスソースファイル名変更
　　　　　　MyModelPropertyScreenFactory.cs　→　MyExerciseModelPropertyScreenFactory.cs
　　　スクリーンクラスソースファイル名変更
　　　　　　MyModelPropertyScreen.cs　→　McMyExerciseModelPropertyScreen.cs
　　　フォームクラスソースファイル名変更
　　　　　　MyModelDetailForm.cs　→　MyExerciseModelDetailForm.cs

　ファイル名変更時に　要素モデル作成時と同様に、自動的にクラス名称も変更するか否かを問い合わせるダイアローグが表示される事があります。この時には、「はい」を選択します。　すると、自動的にソース内に記述されているソース名が変更されます。　もしも、自動修正が行われない時には、クラス宣言されている所で、クラスを選択し、ポップアップメニューの「リファクタ」−「名前の変更」を選択して、クラス名を変更します。

　　　ファクトリークラス名変更
　　　　　　MyModelPropertyScreenFactory　→　MyExerciseModelPropertyScreenFactory
　　　スクリーンクラス名変更
　　　　　　MyModelPropertyScreen　→　McMyExerciseModelPropertyScreen
　　　フォームクラス名変更
　　　　　　MyModelDetailForm　→　MyExerciseModelDetailForm

　　
　　　
　　　　　　　　　（↑　クラス名変更後）


（７）画面Factoryクラス内の所定メソッド内容を修正し、スクリーンクラスの生成が行えるようにする。

　ファクトリークラス（MyExerciseModelPropertyScreenFactory）の　　public override McModelPropertyScreen CreatePropertyScreen(HySKind csModelKind)　メソッド内で、新しく作成したスクリーンクラスを生成するようにします。
　

public class MyExerciseModelPropertyScreenFactory : McPropertyScreenFactoryBase { 　　　　。。。。。。。。。。。             public override McModelPropertyScreen CreatePropertyScreen(HySKind csModelKind)         {             McModelPropertyScreen csScreen = null;             if (csModelKind.Equals(MyExerciseModelDefine.MY_KINEMATIC_MODEL_KIND) == true)             {   // 特別モデル型紙ならば                 // モデルプロパティ生成                 csScreen = new McMyExerciseModelPropertyScreen();             }             return csScreen;         }

  次に、スクリーンクラス（McMyExerciseModelPropertyScreen）の　public override McDotNetModelCellPropertyDetailBaseForm CreatePropertyDetailForm()　メソッドを修正し、McMyExerciseModelDetailFormクラスを生成するようにします。
　CommonMPからファクトリークラスに　プロパティ画面生成指示が行われると　ファクトリークラスの　CreatePropertyScreen（）メソッドがコールされて　スクリーンクラスのインスタンスが生成されます。　直後に　生成されたスクリーンクラスの　CreatePropertyDetailForm（）メソッドがコールされて内部に　Formクラスインスタンスが生成されます。

public class McMyExerciseModelPropertyScreen : McDotNetModelCellPropertyScreenBase { 　　　。。。。。。。。。。。        public override McDotNetModelCellPropertyDetailBaseForm CreatePropertyDetailForm()         {             // ToDo Windows　.net ﾌﾚｰﾑﾜｰｸ上の　Form （画面表示本体）派生クラスを生成します。             // 各画面は、Visual Stadio 等にて作成する必要があります。             return new McMyExerciseModelDetailForm();         }

6.16 スタブの動作確認
　
　これでスタブが完成しました。　コンパイルしCommonMPを動作させスタブの動作を確認します。

　　　
　　　　　　↑　演習：KenematicWaveモデルのプロパティ画面を表示します。

　　　
　　　　　　↑　スタブのままなので、何も無い画面が表示されます。

　ここで作成した要素モデル、及びプロパティ画面のスタブプロジェクト（Ex11_MyExerciseStep1.lzh）

　ダウンロードしたら解凍して生成されたフォルダー「MyExerciseModel」、「MyExerciseModelProperty」を \CommonMP\Source\HYMCO\OptionImpl\ 下に置きます。　　　
　解凍して生成されたプロジェクト：MyExerciseModel.csproj、　MyExerciseModelProperty.csproj　を　ディバッグ用ソリューションに追加し、スタートアッププロジェクト（TestModelDeveloperMainExp）の依存関係に追加します。

（前頁）＜＜　　　　　　＞＞（次頁） 

初版：2013/07/27｜